「勉強に集中しましょう」ことばで言うのは簡単ですが、実行し続けるのはなかなか難しいことです。今回は、意外に難しい「勉強に集中する方法」について話すことにします。
始めが大切
集中して勉強を始めようと思っても、なかなか始められない。そんな経験はないですか?
「今日取り組むべき課題」をすぐに見つけ出すのは意外と難しいことです。特にあまり乗り気でない日などでは、課題を見つけ出すだけでも、集中力と時間を浪費してしまうことになります。そして、例えば「英単語を覚えないといけないけど、大変そうだなぁ」と考えるだけで、何もしていないうちから疲れを感じてしまうかもしれません。
このような無駄を避けるために、取り組むべき課題を前日の夜などに予め決めておくと良いでしょう。課題も、「数学をやる」といったあいまいなものではなく、「テキストの○ページから始める」と言った具合に、迷わずすぐ取り組めるような具体的な形とし、さらにメモの形で紙に記しておく方が良いでしょう。
このように、やる事を決める必要がない状態になっていると、スムーズに勉強を開始でき、また余分な集中力を浪費していない分、疲労度も違ってきます。そして、課題を終了する度に、メモを線で消すようにすれば、達成感も味わえるので、一石二鳥です。
始めと終わりは集中できる
3日坊主という言葉があります。最初は調子良く始めたものの、わずか数日で飽きて終了してしまうことに対して、皮肉を込めて表現したものですが、皆さんにもこのような経験はないでしょうか。
また、提出期限直前になると、普段はできないような大変な集中力が発揮され、一気に仕上げられるような経験をした事はないでしょうか。
実は人間は、物事の始めと終わりに集中できるようになっているのです。
物事の始めは新鮮な気持ちと、それを始めたきっかけがあるから集中できるのです。
逆に物事の終わりには、「追い詰められている」「時間が失われる」「機会が失われる」ということを実感し、時間や機会が尊いものに思え、また終わりが目の前に見えているからこそ集中することができるのです。これは「締切効果」と呼ばれています。
これを勉強に利用すると良いでしょう。
1日の勉強の中に区切りを入れなければ、始めと終わりの時間はそれぞれ1回ずつしかないので、そのままでは集中力が高まる始めと終わりの機会は1回ずつしかないことになります。
そこで、勉強する内容を決めたら、あらかじめ「30分以内」と言った具合に締め切り時間を設定します。後で述べますが、この時間は短めにします。必要に応じて時計のアラームなどを設定しても良いでしょう。そして時間が来たら、調子が良いときでも途中で止めるようにします。こうすると、途中で終えることに抵抗感を感じるようになるので、最後は慌てながらでも集中力を発揮して、ひととおり終えることができるようになるのです。
このことはテストでも有効です。「いざテストになると時間が足りない」といったことを良く聞きます。普段の勉強とテストとの大きな違いは、「テストには時間制限がある」ところです。自宅学習で問題集に取り組むときには、1問にいくらでも時間をかけることができますが、テストではそうはいきません。そのため、テストでいつも時間が足りなくなる人は、普段の勉強でも時間を意識して問題に取り組む必要があります。自宅学習に時間制限を取り入れることによって、時間制限のあるテストでも結果を出すことができるようになるのです。
そして、このように勉強の中に区切りを入れることにより、始めと終わりの機会を増やすことができ、集中力が高まる時間を増やすことができるようになるのです。
集中力が続かないのは
勉強を始めたものの、集中力が続かないと感じることはないでしょうか。
実は人が最も高い集中力を維持できる時間は意外と短く、約15分程度と言われています。
そのため、極めて高い集中力が要求される速記者や同時通訳者は、10分〜15分程度で交代するように定められています。このように専門家でも高い集中力を維持するのは難しいのですから、皆さんが集中力を維持することに難しさを感じるのも無理はないかもしれません。
それでは、長時間集中して勉強するためにはどうしたら良いのでしょうか。
幼児〜小学校低学年ぐらいまでは、15分で必ず飽きがきて、それ以上集中を続けることができません。ですから幼児・子供向けの番組は15分で終わったり、一つの話が10分程度で一区切りするようになっているのです。
それが、成長するに従って、集中力を持続することができるようになってくるのです。
但しその場合でも、集中力は波を描くように15分周期で増減を繰り返しますので、皆さんは、15分の波2回分に相当する30分を目安にして、先程述べた「締切時間」を設定すると良いでしょう。そして30分ごとに、数分以内に終わるごく短い休憩を入れるようにするのも良いでしょう。長すぎる休憩は意欲を低下させますし、何より時間の無駄で、勉強より休憩が中心のような本末転倒の状態になってしまいます。立って少し自分の部屋の中を歩き回る、伸びをするといった、ごく短いリラックス程度にしましょう。
さらに、人が1つのことを続けられる限界の時間は、2時間であると言われています。
そのため、映画やスポーツも(この塾も)2時間で終了するようにできています。
2時間頑張ることができれば、少し長めの休みを取っても良いのではないでしょうか。
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